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ウクライナ危機に始まるDuckDuckGoでの検索結果についてのお話

ソース
DuckDuckGo “down-rank sites associated with Russian disinformation”
ハッカーニュース
https://news.ycombinator.com/item?id=30627892

Hacker Newsで気になった投稿を取り扱います。今回は「DuckDcukGoがロシアに関する偽情報のサイトをランクダウンさせる」という内容についてです。

前置き

ロシアのウクライナ侵攻

ロシアのウクライナ侵攻
2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が開始されました。第三次世界大戦という言葉がちらつくほど深刻な事案であり、ロシアには各国から強い非難と制裁を受けています。記事を執筆している3月11日現在においてもまだ戦争は続いており、先行きが見えません。

ロシアに対する制裁としては、国規模の経済制裁などがありますが、企業版の経済制裁も行われています。たとえば、マクドナルドやスターバックスなどはロシア国内での事業の停止を発表しました。また、ゲーム会社がロシア向けにゲームの値段を上げるというものまであります。

また、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、Hacker Newesではこの事案に関する様々なトピックが話題になっており、”Russia”という文字を見ない日はないほどです。

本題

ロシアに対して様々な制裁が行われている中、DuckDuckGoによるロシアへの制裁に関する投稿が700コメントを超えており、個人的にも気になったのでここで取り上げて行きたいと思います。

Hakcer Newsで話題になっている投稿は、DuckDcukGoの創設者でありCEOのGabriel Weinbergによるツイートです。

Like so many others I am sickened by Russia’s invasion of Ukraine and the gigantic humanitarian crisis it continues to create. #StandWithUkraine️ At DuckDuckGo, we've been rolling out search updates that down-rank sites associated with Russian disinformation.

次はDeepLによる翻訳です。

他の多くの人々と同様に、私はロシアのウクライナへの侵攻と、それによって引き起こされ続けている巨大な人道的危機にうんざりしています。#StandWithUkraine️ (ウクライナと共に立ち上がろう

DuckDuckGoでは、ロシアの偽情報に関連するサイトをランクダウンさせる検索アップデートを展開しています。

このDuckDuckGoによる制裁が議論を呼んでいます。おそらくGoogleがこのようなツイートをしてもそこまで話題にならなかったでしょう。
ここまでたくさんのコメントが集まったのは、DuckDuckGoの理念に関係してくる事だからだと思われます。

まずは、トップにあった象徴的なコメントを紹介します。

I guess this did not age well:

“[W]hen you search, you expect unbiased results, but that’s not what you get on Google,” @matthewde_silva quotes @yegg

https://twitter.com/DuckDuckGo/status/1114524914227253249

DuckDuckGoのあるツイートに対して、「うまくage(熟成?稼働?)できなかったんでしょうね」とコメントしています。
このコメントで取り上げられているツイートには、「検索するときは偏りのない結果を期待するけど、Googleはそうではないよね」というDuckDuckGoによるGoogleへの批判が書かれています。

要するに、「DuckDuckGoは偏りのない検索エンジンを目指しているはずなのに、意図的にロシアの偽情報をランクダウンさせたら、それは偏りのない検索結果とは言えないよね」ということを言いたいのだと私は解釈しました。

同じような批判コメントがあったので、抜粋して一部紹介します。

I will now trust my own media and sources even less, if they rely on silencing the competition and insist on controlling

もし彼らが競争相手を黙らせることに依存し、支配を主張するならば、私は今後、自国のメディアや情報源をさらに信用しなくなるでしょう。

It's actually exactly what authoritarian governments like Russia do. They silence and control information, blocking out other sources aside from their own propaganda. Everything else is said to be dangerous disinformation.

実はこれ、ロシアのような権威主義的な政府がやっていることと全く同じなのです。彼らは情報を沈黙させ、コントロールし、自分たちのプロパガンダ以外の他の情報源を遮断します。それ以外はすべて危険な偽情報と言われています。

また、DuckDuckGoの方針を支持する意見もあります。私が最も象徴的だと思った意見をここでは取り上げます。

I've been waffling between whether or not I think this is a good thing. I am curious on your thoughts:

A lot of malicious actors have learned how to game the search ranking algorithms by making carefully crafted lies that are easily spread as truths online quickly. They are able to get their fake news to spread (and this rank higher) in ways that legitimate sources can't.

Most people only ever look at the first page of results when searching for answers, and, let's be honest, take those answers for the truth.

If you were a search engine provider and knew that viral, fake stories were able to do that, wouldn't not taking action also be making a decision about what you can and can't see? Inaction, in this case, would be tacit approval.

Also you can still search for stories about how Russia is presenting the war, but you have to specifically look for it

簡潔にまとめてみます。
悪意のある者は、検索エンジンのアルゴリズムを逆手に取ってサイトのランクを上げて偽の情報をばら撒くことが可能です。また、多くのユーザは検索結果の上位しか見ず、それを真実だと思い込んでしまう傾向にあるため、不適切なサイトが上に上がってくる事に対して何も対処しないのはよくないだろうということです。
検索結果の上位しか見ないという事対しては、多くの同意コメントが寄せられていました。

その他にもたくさんの意見が出され、地球平面説を検閲するのはどうかなど面白いコメントも多数ありました(多すぎて追えない... )

感想

Googleの検索結果についての問題は今まで多く目にしてきましたが、Googleの代替と謳われるDuckDuckGoでこのような話題が生まれるとは思いもしませんでした。広告や商売目的のサイトならまだしも、今回のような政治や倫理に強く関わる場合だと、検索結果の検閲を是か非の二元論で語るのはより難しくなってきます。他にもGoogleの代わりとなる検索エンジンは多数出てきている(私は最近You.comを使っています)ので、それらがどのような動きをするのかも気になるところです。